再生医療は今後「脊髄損傷」の治療にも期待できるのか?

脊髄損傷を知る前に

脊髄損傷の治療に再生医療は期待できるのか?
その疑問の前にこの「脊髄」や「脊髄損傷」という言葉、知っているけどいまいちどんな役割を担っているか良く知らない。そんな方もいらっしゃるかと思いますので脊髄の役割から簡単にご説明いたしましょう。

脊髄の役割

人間が体を動かす際の信号は脳の中枢神経から全身へ伝わります。

その際の通り道が「脊髄」となっています。

脊髄の中には体を動かす為の「運動神経」、痛みや温度を感じる「知覚神経」が存在しており、その神経が傷つかないように脊髄は椎体という背骨が周囲を覆うように守っています。

脊髄損傷とは?

この脊髄に傷がつく、もしくは完全に断裂してしまった状態を「脊髄損傷」と呼びます。「脊髄損傷」の原因は、交通事故が最も多いとされ、高所からの落下や転倒、スポーツ時の事故によるものが続きます。
脊髄の一部損傷であれば不全麻痺という「力が入り辛い」、「感覚が鈍い」という症状でとどまります。しかし完全な断裂を起こしてしまうと、そこから先は完全麻痺という体も動かせず感覚もない状態に陥ってしまうのです。

脊髄損傷の治療法方は?

残念ながら脊髄内の神経細胞は幹細胞という体を再生する細胞に乏しい組織です。
従って脊髄損傷の障害が発生すると完全な治癒が難しい症例となっており、現状ではリハビリによる機能回復が中心となっています。

しかし再生医療の分野では自身の細胞を利用した治療の取り組みが進められています。
実際に臨床の現場でも研究が始まっています。有用性が認められ技術が確立するのにはまだ時間がかかるかもしれませんが、今後の新たな治療の選択肢となり得るかもしれません。

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