再生医療と膝関節疾患。「外傷性軟骨欠損症」「離断性骨軟骨炎」に保険適応となる。

再生医療による「外傷性軟骨欠損症」「離断性骨軟骨炎」の治療

本記事では「再生医療」による「膝関節疾患」について説明していきます。
人間は普段何気なく歩いたり走ったりしますがそれを可能にしてくれているのは、「膝関節」が足を動かし衝撃を吸収する役割を果たしているからです。

膝関節は人体で1番大きい重要な関節です。
この膝関節には軟骨が存在し、強い荷重や膝を擦るような力が働くと障害が起き歩行に支障をきたしてします。そうなれば日常生活や仕事上おいて大きな影響をおよぼすことになるでしょう。

近年そんな膝関節の障害に対しての再生医療による治療が注目を集めています。

軟骨の病気・疾患「外傷性軟骨欠損症」「離断性骨軟骨炎」とは?

膝関節は、事故やスポーツの際に負担がかかりやすく「外傷性軟骨欠損症」や「離断性骨軟骨炎」といった軟骨の障害が発生します。
軟骨の一部が傷ついた際にそのまま痛みを我慢してしまうと破れた軟骨部分がどんどん広がり、正常な軟骨部分まで進行してしまいます。
進行が進むと、骨面が変形して「変形性膝関節症」という更に重度の膝関節障害を引き起こします。

「膝関節の軟骨は自然に治らないの?」

と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
全く治らないわけではありませんが、この軟骨部分には血管や細胞組織が少なく栄養が行き渡りにくく自然治癒はあまり期待できません。

では今までの治療はどのように行っているのでしょう?
無事な骨部分からの軟骨を移植する「骨軟骨柱移植」や、骨にあえて穴をあけて出血させることにより軟骨組織を膝関節に供給する「骨髄刺激法」が現在は主流とされています。

再生医療による膝関節の軟骨再生

では再生医療による膝関節の治療はどんな方法なのでしょうか?

まずは膝から正常な軟骨を少量採取し、シート状に培養を行う「自家培養軟骨」を3~4週間程度かけて作ります。この自家培養軟骨を膝関節に移植しコラーゲンや骨膜で覆います。
始めは非常に柔らかい状態の為に負荷がかからないよう注意が必要ですが、1年程度で正常な軟骨と同等な硬度を持つようになります。

「自家培養軟骨移植術」の保険適用

この再生医療で行われる「自家培養軟骨移植術」、若年層や中年期の外傷性軟骨欠損症や離断性骨軟骨炎に対する再生医療の治療は保険適応となっています。しかし残念ながら加齢により軟骨組織が減少し引き起こされた変形性膝関節症は保険適応外となってしまうので注意しましょう。

まとめ

今回は膝関節症と再生医療の新しい技術についてご説明させていただきました。
病院の整形外科には日々、膝に障害を抱えた患者様がいらっしゃいます。それほどに膝の病気や障害は人々の暮らしに大きく影響を与えてしまうのです。
今後は変形性膝関節など高齢の方の膝関節にも再生医療が応用される事に期待しましょう。

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