はじめに
昨今新型コロナウィルスの影響は大きく、国内外問わず感染者が毎日増えている現状です。
病院への来院を考える方もいらっしゃるかと思います。
とは言っても病院へ行かないと定期的な診察や処方箋を受けられないし…とお悩みの方も多いでしょう。
そんな方々への助けとなるのが「遠隔診療」。
今回はこの遠隔診療についてご説明していきましょう!
遠隔診療の「ガイドライン」
この遠隔診療には厚生労働省が定めたガイドラインがあります。※(正確には遠隔医療)
ガイドラインの制定は平成30年の3月に行われています。
ではガイドラインの中で説明されている項目についていくつか触れていきましょう!
- 背景
情報通信機器の技術進歩や、医師の働き方改革があります。 - 関連法令
無診察治療等の禁止として、医師法の以下文章の記載がガイドラインにされています。
「第 20 条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せん
を交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、
又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。」 - 用語
- 遠隔医療
- 「遠隔医療」という言葉を何となく使っていますが、ガイドラインには「情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為」と制定されています。文章から考えるとかなり幅広く解釈が考えられる内容と言えます。この情報通信機器を使用した診療行為は細分化されています。以下の単語説明でもう少し説明していきましょう。
- オンライン診療
- では遠隔医療とともに広がりつつある「オンライン診療」とは?いったいなんでしょうか?
「医師と患者が情報通信機器気を使用しオンラインで診察や処方を受ける事」をいいます。
従って遠隔医療の中にオンライン診療は含まれていると言えるでしょう。現在のように新型コロナウィルスの影響によって病院へ行きづらい…そんな際にピッタリの診療方法と言えるでしょう! - オンライン診療受診推奨
- 少しややこしくなってきますが「オンライン診療受診推奨」のご紹介をしましょう。
オンライン診療受診推奨では、
「オンライン上で医師が患者への症状の問診を行い、患者が実際何かしらの病状に置かれている場合は疾患を判断します。疾患に応じた診療科への受診を推奨する。」
と言った内容となります。
先ほど紹介した「オンライン診療」と違うのは、オンライン診療では「具体的な診察や処方」を受けますが、「オンライン診療受診推奨」では「適切な診療科の斡旋など最低限の医療的な判断」となります。 - 遠隔健康医療相談
- 先ほどの「オンライン診療受診推奨」では「具体的な医学的な判断」がありましたが、その医学的判断の必要が無い、伴わないというような場合もあります。
その場合にはこの「遠隔健康医療相談」という名目での遠隔診療分類となります。 - オンライン診療支援者
- 患者がお年寄りの場合は、情報通信機器の使用が困難な場合もあるでしょう。
具体的にはスマートフォンやパソコン、かなり一般的に普及してきましたがまだまだ高齢の方には取り扱いが難しい場合がありますね。
そんなご年配の方をサポートする人を「オンライン診療支援者」と言います。
特に支援者は医療従事者である必要や、専門的な知識の有識者でなくても良いとされています。 - 診断
- 内容が少し前後しますが、そもそも「診断」という行為についてご存知でしょうか?
遠隔診療のガイドラインでも触れているので一緒にご説明しておきましょう。
診断とは「診察、検査等により得られた患者の様々な情報を、確立された医学的法則に当てはめ、患者の病状などについて判断する行為」とガイドラインで定められています。
遠隔診療におけるオンライン診療の基本理念
オンライン診療の理念としては、
①患者の日常生活を知る事により、医療の質の向上を目指す
②医療を必要とする患者へアクセスを容易にし医療を受ける機会を増やす
③患者自らも積極的に治療へ参加。治療効果の最大化をはかる
といった事が制定されている。
遠隔診療に置ける医師の基本理念
前章でオンライン診療の基本理念について触れたが、特に医師は以下の基本理念を重視し診療にあたらねばなりません。
①医師と患者の信頼関係と守秘義務
守秘義務に置いては遠隔診療に限った事ではありませんが、患者と医師との信頼関係が第一となります。
オンライン診療と実際の対面診療を適切に組み合わせる必要があります。
②医師の責任
オンライン診療における責任は一般診療同様に医師が負う事になります。
オンラインで得られる情報に制限を感じる、問題がある場合は速やかに対面診療に切り替える必要があります。
③医療の質と安全の確保
オンライン診療における、診療が安全かつ最大限有効に行われているかの評価も医師が行う必要があります。
また患者の急変などにも対応できるよう体制が整えなければいけません。
④オンライン診療の限界
オンライン診療ではどうしての対面診療に比べ得られる情報が限られる。
医師はその限界を正しく判断した上で診療を行い、オンライン診療のメリットを最大限に生かしデメリットを最小にするような努力をしなくてはいけない。
⑤エビデンスに基づいた遠隔診療
安全かつ有効な診療を行う為に、オンライン診療ではエビデンスに基づいた医療を行う必要がある。
得られる情報が限られてしまう為、治験や開発段階の安全性の確立されていない医療提供は望ましいとは言えません
⑥患者が求めた場合の実施
オンライン診療は医師が利便性を求めたり、研究目的の為に実施するものではありません。
患者がオンライン診療によるメリットとデメリットをしっかり把握したうえで行われる必要があります。
遠隔診療で「処方箋」は出せるの?
非常に気になるところとしては、オンライン診療で「薬剤をもらえるのか?」というところでしょう。
薬剤の使用は、少なからずリスクが伴うものなので、処方容量と、日数を薬剤師と十分な相談の上での処方が基本となります。
また薬の処方の際に、「飲まれている薬はありますか?」とよく聞かれることがあるかと思います。
薬の飲み合わせは非常に重要なところとなるので、薬剤管理は注意を払って行わないといけません。
また新しい疾患に対する医薬品の初回処方に関しては原則対面でないとなりません。
処方箋は郵送やfaxで送られることが一般的なようです。
遠隔診療の「診療報酬」
2020年に診療報酬の改定案により、「オンライン診療料」や「オンライン医学管理料」など算定がつくようになりました。詳しくは以下の診療報酬改定の概要を参照しましょう
「厚生労働省保険局医療課」
令和2年度診療報酬改定の概要 (外来医療・かかりつけ機能)
遠隔診療での「初診」
本来であれば、初めて診察を行う「初診」は対面診療で行う事が望ましいです。
しかし、新型コロナウィルスの影響を受け一時的なオンライン診療でも初診を開始する医療施設が増えてきているのが現状です。
ただし、本人確認を取る為の身分証明書は必要となるのは対面診療と同じなので準備をしておくようにしましょう。
遠隔診療のアプリ「zoom」による「ズム診」とは?
最近「オンライン飲み会」や「遠隔会議」アプリで話題になった「zoom」あなたのスマートフォンやタブレット、パソコンの中には導入済みでしょうか?もしまだであればこの機会にインストールをするのも良いでしょう!
飲み会や会議にとどまらず、zoomを使用した「遠隔診療」も可能となっております。
もちろんzoomを使った通信も、「情報通信機器」を用いた診療なので遠隔診療にあたります。
あなたは医療従事者ですか?
もしYESの返答があり、お勤めになられている医療施設での遠隔診療が導入されていないのであればこれを気に導入を考えてみるのは非常に重要なことかもしれません。
この章でご紹介するのはzoomを使用して遠隔診療を応援する「ズム診」です。
ズム診ではZoomを活用したオンライン診療の導入から運用までのサポートを無償で提供しています。
ある程度知識のある方であればもちろん「自分で全部出来るよ!」となるかもしれません。
しかし、日々の診療業務に追われてそういった業務外の部分までは手が回らないというのも医療施設にありがちな現状かと思われます。
また「オンライン診療支援者」というサポート者がいなければ遠隔診療を受けられない患者様もいらっしゃいます。
例えば、「今までスマートフォンを使用したことが無く、遠隔診療を受けるにあたって携帯電話を買い替えた」
そんな方にいきなり
「zoomのアプリをインストールして、登録して医療施設への申し込みをして…などなど手順を踏んでください」
といったところで理解が非常に難しいのは明白であることでしょう。
そういった医療施設での遠隔診療の導入お手伝、手助けとなるのが「ズム診」でしょう。
ズム診への申し込みは無料となっています。
遠隔診療の推進、何より遠隔診療による患者様への利点を考え導入してみるのはいかがでしょうか?
以下のURLから「ズム診」の公式サイトへ行きメールフォームに詳細記入によりお問い合わせ相談が可能です。
「ズム診 公式サイト」
海外での遠隔診療
では海外での遠隔診療はどうなのでしょうか?
非常に遠隔診療が盛んにおこなわれるアメリカ・EUについて見ていきましょう!
遠隔診療が世界最大規模で普及しているのは北米であると言われています。
アメリカ特有の非常に広い土地では遠隔診療は必要性が高く1993年には既にアメリカ遠隔診療学会が創設されていたようです。
早い段階での普及によりアメリカでは現在遠隔診療を提供するネットワークは既に200もあり、3500の医療施設が遠隔診療のサービスを提供しています。
しかし広大ゆえの問題も抱えています。アメリカでの医療従事者の免許は基本的に取得した州の中でしか活動が出来ない決まりとなっています。また保険についても州ごとに決められた運用がある為、州を跨いでの遠隔診療の保険適用が難しくなってしまいます。
従って州を跨いでの遠隔診療の提供・運用に関しては問題があると言えるでしょう。
次にEUの遠隔診療事情はどうでしょうか?
EUにおける遠隔診療も2015年時ではアメリカに次ぐ規模で展開されています。
EUでは様々な分野で遠隔診療が活用されており、「糖尿病管理、遺伝学、心臓学、病理学、放射線学…など」が例に挙げられるでしょう。
新型コロナウィルスによる遠隔診療の特例措置
では2020年の年明けから猛威をふるっている「新型コロナウィルス」により遠隔診療は何か特別な措置があったのでしょうか?
厚生労働省は2020年4月2日に新型コロナウィルスの感染拡大を踏まえ、患者・医療従事者の安心・安全の為に特例的な緩和する指針を出しています。以下で詳しく見ていきましょう!
オンライン診療の緩和
今までの取り扱いは
「初診及び急病急変患者は対面診療が原則」
「事前に対面診療により十分な医学的評価 を行った上で、診療計画を作成する必要」
「症状の変化に対して処方する場合は、その旨をあらかじめ診療計画への記載が必要」
となっていましたが、特例措置により
⇒「新型コロナウィルス感染症を疑う患者の診療を初診からオンラインで行うことは困難 (遠隔健康医療相談とオンライン受診勧奨は可)」
⇒「新型コロナウィルス陽性者であって、無症状・軽症の在宅のものに対し、診断した医師等が、電話やオン ラインにより診療することは可能」
⇒「慢性疾患を抱える定期受診患者について、症状に変化が生じた場合においても、電話やオンラインによ
り継続的な処方や症状の変化に対する処方が可能」
となりました。固い文章なので少しわかり辛いのですね。簡単に要約していきましょう。
・遠隔診療では新型コロナウィルスの診断はつけられない(適切な指示や診療科の紹介などの相談は可能)
・初診でのオンライン診療も必要に応じて可能。既に行っている医療施設もある。
・今まで受診していた疾患の症状に変化が起きても遠隔診療で処方や対応が可能。
となっております。通常の扱いより大きく緩和されていますね。
服薬指導
「服薬指導は対面で行わなければならない」
となっているところが、特例措置により
⇒「電話やオンラインにより診療が行われた場合、電話やオンラインにより服薬指導が可能」
服薬の指導も原則対面指導だったのがオンラインで可能になりました。
何より患者様にとって嬉しいことは薬を郵送などで自宅に届けて良いという事でしょう。
診療報酬
「オンライン診療料や処方箋料、服薬指導に係る報酬等を算定可能」
となっているところが、特例措置により
⇒「再診料(電話等再診) や処方箋料、服薬指導に係る報酬等を算定可能」
ここは文章に変化はありますが特別大きく変更はなさそうです。
さて日本国内での新型コロナウィルスの感染者は徐々に減ってきていますが、第二波の影響が心配されています。
厚生労働省は対面診療とオンライン診療の組み合わせで、どこまでの範囲まで対応が可能か?という事を検討を進めています。
「遠隔診療」と「遠隔医療」の違い
「遠隔診療と遠隔医療の違いはあるの?」という疑問を稀に受けます。
大きな違いはありませんが、厳密に言えば医療という行為の中に「診察・治療」が含まれます。
「診察と治療」の意味を合わせ持った言葉を「診療」と言います。
従って遠隔医療という大きな枠の中に遠隔診療があると言えるでしょう。
どちらかといえばガイドラインにも制定されているように、遠隔医療という単語の方がより正式に近い言葉と言えるかもしれません。
「5G」による遠隔診療・遠隔医療の変化
皆さんは最近話題になっている「5G」についてご存知でしょうか?
「5G」とは「5Generation」の略称です。つまり第5通信世代の通信という事ですね。
5Gの普及により「高速かつ大容量」「低遅延」「多数接続」により特化した通信が可能になります。
詳しい説明は遠隔診療の話とは別の話になるので割愛しますが、遠隔診療や遠隔医療の分野においても大きな進歩が期待されています。
近年の医療は集中化により都市部に高度医療が集まり、一方で地方過疎地患者は高度な医療が受けにくいという現状があります。また医師も大学病院の医師との意見交換を求めています。
「そんな時こそ遠隔医療の出番では…?」とお思いになられるでしょう。
しかしそう物事は容易ではありません。理由は近年の医療技術の進歩にあります。
近年の画像診断装置の進歩は著しく、CTやMRI、血管画像装置の画像はより精細になり画像容量も大幅に大きくなっています。多い時には1検査で2000~3000枚の画像になるときもあります。
この画像を見るときは一苦労です。画像サーバーに送られた画像の読み込みには数分間かかることも珍しくありません。院内に画像が保存されている時でさえこのような状況ですからこれを院外に送るとなればさらに時間がかかります。そのような状況では医師同時が見たい画像をリアルタイムで同時に見るという事は非常に困難と言えるでしょう。
そんな状況を打破すべく、5Gでの「高速かつ大容量」を利用した遠隔診療への取り組みが始まっています。
超音波の動画を用いた遠隔診療ではほぼ声や映像遅延もなく鮮明な画像での診断が既に可能となっているとの結果が得られています。このように5Gでの遠隔診療は今後大きな期待が寄せられています。
遠隔診療とリハビリ
遠隔診療は、診療のみならずリハビリ領域での活用も期待されています。
遠隔による在宅リハビリが盛んに行われて「デンマーク」を例に、また日本の遠隔リハビリはどうなっているか?
という事を解説していきます。
デンマークでの遠隔リハビリ
デンマークは遠隔診療による在宅介護リハビリテーションが推奨されています。
デンマークに限った事ではありませんが、慢性疾患の治療患者が退院後、病状が悪化し再入院するという事例が問題視されています。様々な病態・個別での対応が困難になってきているのです。そんな現状を打破しようとデンマークは国を挙げてのプロジェクトを推し進めており、その為の予算も大きく組まれています。
結果としてデンマークでの重症患者の再入院数は遠隔リハビリの推奨前に比べ50%を超えるレベルで減少するという結果が得られています。総数で見ても全体の11%が減少しており、また入院したとしても入院日数の減少が認められており確かな効果があるという結果が得られています。
慢性疾患の増加はデンマークに限った事ではなく国際的な問題であり日本でも避けられないことでしょう。
日本の遠隔リハビリ
では日本での遠隔リハビリはどうなっているのでしょう?
日本でも独自の遠隔による在宅リハビリは進んでおります。「Remohab」の企業を例に挙げましょう。
Remohabでは「心疾患」に対する遠隔リハビリのサポートをしています。
まずは「心疾患」という病気をご存知でしょうか?心疾患とは主に「虚血性心疾患」が大部分を占めています。心筋梗塞という心臓の血管に血栓が詰まるという現象が起きると心臓への血流が遮断され心臓組織が壊死して生命の存続を脅かします。この心疾患は日本国内の医療施設で日々治療が行われています。
日本のみならずこの心疾患での死亡率は世界で一位であり、日本国内でも心疾患の症状に120万人以上が悩まされています。心疾患では定期的な通院・リハビリが必要ですが、残念ながら高齢者が多い心疾患では病院へ一人での通院は困難です。かといってご家族の方にも生活や仕事がある為、常に付き添いを期待できません。
厄介な事にこの心疾患は再発が非常に多く、治療後も再発が多く再入院という例が後を絶ちません。
「Remohab」では通院をせずに遠隔でのリハビリをサポートしています。
エクササイズマシンと心電図をアプリで管理し医療機関と自宅をネットワークで繋いでいます。通院によるリハビリが困難な患者様にとっては設備さえ整えてしまえば自宅をリハビリ室に出来てしまうという画期的なシステムなわけです。
しかも医療機関はリアルタイムで患者の容体を確認出来るので、患者に不整脈や何かしらのトラブルが生じた場合もすぐに対応が可能となっています。
このように日本でも遠隔でのリハビリは徐々に浸透してきています。
遠隔診療とペット
遠隔診療は人間の枠にとどまりません。
愛するペットも人間同様に体調を崩すことがあります。人間は声に出して体の不調を知らせることが出来ますがペットはそうは出来ません。その為に症状が重くなりがちな傾向があるでしょう。
しかも動物病院が近くにない、または飼い主の生活・仕事の都合上で中々病院に連れていくことが出来ないという事もあるでしょう。
そんな時に役立つのが遠隔診療によるペット診断です。
株式会社見るペットでは、オンライン診療の利点を生かし、
「待ち時間解消・通院時間解消・交通費節約・会計待ち時間、調剤待ち時間解消・好きな時間、場所で
相談を受けることが可能・動物来院によるストレスの解消・細かなフォロー・重症化の防止」
といった事を可能としています。
現在ペットの高齢化も進んでおり、7歳以上のペット数はピークに達しているともいわれている現状です。
今後ペットの遠隔診療の需要もさらに高まる事は予測できるでしょう。
遠隔診療によるED・AGA受診
男性の方にとって非常にデリケートな問題ともいえるEDやAGA…厄介な悩みですね。
遠隔診療はこのような疾患に対しても活用が広まっています。
まずは知らない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単にEDやAGAについて触れましょう。
- ED(Erectile Dysfunction)
- 日本語に訳すと「勃起不全」です。
名称だけで言えば「勃起をしない」という事になりますね。
「じゃあ自分は勃起をするし大丈夫かな…」なんて思う方が殆どかもしれませんが重要な点は別にあります。
「満足な性行為が出来るだけ勃起しているか?」ここが重要なポイントになります。
従って「勃起するが、性行為に満足するだけの勃起を得られない」という事があるとなれば、それはEDの症状に当てはまるわけです。
EDの患者は1998年の調査では成人男性の4人に1人はEDという結果も出ているくらい身近な疾患という事は覚えておきましょう。 - AGA(Androgenetic Alopecia)
- 日本語に訳すと「男性型脱毛症」です。
先ほどご説明したEDについてはなんとなくご存知の方も多いかもしれませんがAGAについて認知度はそれほど高くないのではないでしょうか?
AGAとは成人男性に良く見られる髪が薄くなっていく状態の事を指します。遺伝や男性ホルモンが関係しているとされています。
自分はまだ大丈夫…なんて思っている男性の方。このAGAに関しても非常に身近な疾患であり、成人男性の3人に1人はAGAの兆候がある、というデータも出ているくらいでより男性にとっては他人事ではない問題なのです。
上記したようにED・AGA共に非常に身近でありながら他人に相談がしにくい疾患となっています。あなたの周りの男性も、もしかしたらこっそり医療施設に通院されている…なんてこともあるかもしれません。
そんな他人にあまり知られたくない、かつ面倒な通院に関しても遠隔診療の利用は広がっています。
例えば「渋谷・新宿ウエストクリニック」などは、初診に関しては基本対面による診療は必要になるものの、その後にオンライン診療が可能となります。処方も代金引換とはなりますが、配送業者による輸送が可能であり、どのような薬を処方されているかもわからないようにされているのでプライバシーが侵される心配もありません。医療機関への受診する時間・手間・交通料金を考えれば、ED・AGAの遠隔診療は非常に画期的な手段と言えるのではないでしょうか?
遠隔診療・遠隔治療と近未来医療のデバイス
最後に遠隔診療の技術進歩は目まぐるしく、日々革新的デバイスの発案がされています。そんな中のいくつかをご紹介していきましょう。
遠隔診療の「聴診器」
あなたが想像する「聴診器」と言えば、医師が首からかけているアナログな種類ではないでしょうか?
聴診器も日々進化しており、「電子聴診器」が発売されています。聴診が電子音になった事をうけ、「株式会社スマートゲート」はiPhoneなどのモバイル端末と電子聴診器を使用した「オンライン聴診」を可能にしました。
今までの動画で患者の表情や容態が見られる状態に加え、オンライン聴診という体の内部の情報まで得られる技術も開発されている。
遠隔医療とVR(Virtual Reality)
VRでは「限りなく実体験に近い体験が得られる」という事でまるでその場にいるような臨場感を得る事が出来ます。先の「遠隔診療と5G」で説明した5Gの「大容量・高速」「低遅延」というメリットとこのVRの特徴を生かした遠隔医療に注目が集まっています。
実験段階ではあるが、高機能のネットワークカメラで360度撮影をした映像を低遅延でVRゴーグルに送った結果配信時間は1秒以下というほぼリアルタイムの画像を得られるという結果が得られている。
この技術を活かせば、遠方地にいる優れた治療技術を持つ医師のオペをリアルタイム、かつ360度から手元を見る事が出来るという医師の教育面でも大きく貢献できるでしょう。
遠隔診療によるエコー(超音波)検査
超音波装置は病院や検診施設など幅広く使用され、一般診療・救急診療ともに欠かせない画像検査である。
そんな超音波装置が、遠隔診療で使えるように超音波診断ロボットとして実験開発されています。
特に妊婦検診での活躍が期待されており、産婦人科医がいない病院でもロボットがあれば遠隔で産婦人科医がロボットを操作することにより画像診断を行う事が出来るのではないか?と日々実験が繰り返されています。
ロボット操作による遠隔手術
動物実験での遠隔手術は既に行われており、中国では豚の肝臓の切除手術の成功報告が上がっています。
この時の研究施設と医療機関に距離は実に50㎞も離れていたが5Gの遠隔操作外科手術により遅延なく手術は行われたようです。
日本国内ではどうか?というと実は日本でも手術ロボットは300台以上が配備されています。
このロボットは臨床現場で活躍しており、ロボットが設置されている同オペ室内で配線を繋いだ操作コンソールに座った医師が手術を行っています。従って5Gの通信技術が整備されれば、遠方地からの手術もそう遠くない未来に実現が可能なところまできているといえるでしょう。医師の人材不足や働き方の改革に大きく役立つことが間違いないですね。技術が確立し日本全国に広まるまで時間はまだかかるかもしれませんが楽しみに待ちましょう。
参考文献
「【遠隔診療まとめ】新型コロナウィルスの影響によって流行る遠隔診療まとめ」
「オンライン診療の適切な実施に関する指針 – 厚生労働省」
「オンライン診療(遠隔診療)の薬剤の受け取りについて」
「令和2年度診療報酬改定の概要(外来医療・かかりつけ機能)」
「【海外の遠隔診療】遠隔診療先進国 アメリカ&EUの現状をご紹介」
「新型コロナウィルスを踏まえた遠隔医療の取組について」
「デンマークで「遠隔リハビリ」が進んだワケ」
おわりに
遠隔診療や遠隔医療という言葉を聞くとまだ遠い未来のような感覚があるかもしれませんが、技術の進歩により思ったより近くにそれは待っているのかもしれません。日本に限らず全世界で新しい医療体制を整える必要性が今後出てきそうですね。